Sagalino

イラストの画風

色えんぴつで描く絵本

絵を描く子どもの手には、色えんぴつがあります。家の台所のテーブルで起きていることに、これほど近い画風はほかにありません。

物語は購入前に全文を無料で読めます絵本全体を同じ画風で描きます電子書籍 800円

色えんぴつの画風で描いたサンプルイラスト
あたたかく、紙の粒子が見える手描きの風合いです
由来

子どもたちが自分で使っている技法

色えんぴつは、ほかの絵の具とは働き方が違います。色は一層ずつ重ねて作り、どの層も線として見えたままです。色の混ざりは、見る人の目の中で生まれます。だから色えんぴつの絵は、色が埋まっていても、どこか描きかけのように見えます。

ドイツ語圏の絵本では、ニコラウス・ハイデルバッハがこの技法を体現しています。2000年、『Was machen die Mädchen?』(直訳すると「女の子たちは何をしているの?」)で、ドイツの児童・青少年文学賞(ドイツ児童文学賞)の絵本部門を受賞しました。絵は静かに描かれていますが、表面の下に不穏さがひそんでいることが多く、子どもの本では珍しいことです。

ロートラウト・ズザンネ・ベルナーも近い流れで描き、2016年にハンス・クリスチャン・アンデルセン賞(画家賞)を受賞しました。言葉のない大判の絵本では、登場人物それぞれが、ページをめくるごとに自分の小さな物語を歩んでいきます。

この画風は、子どものらくがきではありません。大人のイラストレーターが、子どもたちがよく知っている道具で描いています。

この画風をつくった人たち

画風の背景にある名前

  • ニコラウス・ハイデルバッハ

    Was machen die Mädchen?、ドイツ児童文学賞・絵本部門, 2000

    色えんぴつが無邪気なだけの道具ではないことを示しました。絵は静かに描かれ、表面の下にしばしば不穏さがひそんでいます。

  • ロートラウト・ズザンネ・ベルナー

    ハンス・クリスチャン・アンデルセン賞(画家賞), 2016

    大判の絵本では、文章が一行もないまま、複数の物語がページをまたいで同時に進みます。

特徴

色えんぴつの見分け方

  • べったり塗られたように見える面でも、線の跡が見えます。
  • 色の混ざりは、層を重ねて描くことで生まれます。
  • 色の面に、紙の目がまだ見えています。
  • つやも厚い絵の具の層もなく、すべてが紙の上に平らにのっています。
  • 線が輪郭でぴたりと止まらないので、縁が少しにじんで見えることが多くあります。
向いているお話

色えんぴつに合うお話

色えんぴつは毎日のお話によく合います。学校、家族、けんかと仲直り、はじめての体験などです。控えめな絵なので、大きな出来事も大げさになりません。

そのため、別れや不安のようなむずかしいテーマにも向いています。色えんぴつの絵は、読む人に押しつけません。

壮大で華やかな場面には、少し静かすぎます。宇宙やドラゴン、追いかけっこなら、レトロなガッシュやリーニュ・クレールのほうが合います。年齢では、3歳ごろから合います。

よくある質問

知っておきたいこと

本が、子どもが描いた絵のように見えませんか。

いいえ。絵は丁寧に組み立てられていて、道具が子どもたちの手にあるものと同じというだけです。色えんぴつは、れっきとしたイラストの技法です。

この画風で、お子さまに似た絵になりますか。

はい。線が顔立ちと髪型を描き、表情も細やかに変えられます。髪や瞳の色、めがね、お気に入りの服をお伝えください。

色えんぴつは何歳ごろに合いますか。

3歳ごろからです。もっと小さなお子さまには、平らな色面の画風のほうが読み取りやすくなります。3歳を過ぎると、自分の描き方に似ていることが強みになります。

画風は本の最後まで同じですか。

はい。14見開きすべてを、お選びいただいた画風で描きます。表紙と主人公の肖像も同じです。

出典
  1. 1.Arbeitskreis für Jugendliteratur: Deutscher Jugendliteraturpreis, 2000年の受賞作 (ドイツ語)裏づけとなる内容:ニコラウス・ハイデルバッハは2000年、ドイツ児童文学賞の絵本部門を受賞しました。
  2. 2.IBBY: Hans Christian Andersen Awards, 受賞者一覧 (英語)裏づけとなる内容:ロートラウト・ズザンネ・ベルナーは2016年に画家賞を受賞しました。